余ったご飯を保存する時には、冷めるのを待ってから冷蔵庫へ、というのが定番ですよね。
しかし、他のことをしている間に忘れてうっかり一晩放置してしまった!という場合もあると思います。
放置ご飯を発見した翌朝は悩みますよね。これって食べても大丈夫なんだろうか…
というわけでこの記事では一晩おいてしまったご飯の安全性と、うっかり放置をなくすための保存方法を解説しようと思います。
一晩おいたご飯には手を出さないほうが無難です
さて、一晩放置ごはんに関してはいろいろな意見があると思います。
「一晩くらい大丈夫だよ!」
「においが悪くなければイケる」
「もったいないけど処分する」
もちろん気温などの環境にもよるので一括りには出来ませんが、生産者としては
危険性はあるので手を出さないほうが無難
ということになります。
しかし、その時の気温などの環境によっては食中毒の危険性もあります。基本的には食べることは推奨できませんが、どのような状況だと危険性が増すのかは知っておいたほうが良いでしょう。
食中毒を引き起こす【セレウス菌】
食品が傷む、腐るというのは主に細菌の活動が原因になります。
大抵の菌は加熱すれば死滅しますが、中には耐熱性を持った菌もいれば、菌は死んでもその菌が作った毒素がなこる場合もあります。なので加熱すれば大丈夫と言うわけではないのが難しいところです。
食中毒を起こす細菌は色々ありますが、ごはん関して特に注意するべきは「セレウス菌」です。
10℃以上で危険性が高まる
セレウス菌は常在菌といってどこにでもいる特別な菌ではありません。
しかし、10℃〜30℃で活発になり「芽胞」と呼ばれるバリアを作るので熱を加えてもやっつけることができません。
常温保存はこのセレウス菌にとってもっとも快適な環境となります。
栄養たっぷりの炊いたご飯にこの菌が入ると次第に増殖し、食中毒の原因になってしまうのです。
セレウス菌による食中毒は下痢や嘔吐を引き起こします。
セレウス菌の毒性はそれほど強くはないとされていますが、体の弱った状態や抵抗力のない子どもや高齢者は注意が必要となります。
温度と時間に気をつける
セレウス菌は10℃以上の温度で活発化するので、温度が8℃以下の冷蔵庫で保存することで増殖を抑えることができます。
またできる限り作り置きはせずに半日以内には食べ切ってしまいたいものです。
作り過ぎてしまったご飯のベストな保存方法は最後にご紹介します。
傷んだご飯は見分けられる…?
傷んだご飯を見分ける基準はいくつかあります。
まずはにおいや味。傷んだご飯は異臭がしますし、口に含むと酸っぱい味がします。これは通常であればわかる思いますが、風邪を引いている時や花粉症の時には匂いや味が感じにくくなるので要注意です。
見た目でも判別できる場合はあります。色が炊いた時よりも黄色っぽくなっていたりつまんで持ち上げた時に糸を引いたりする場合もご飯が傷んでいる証拠です。
いずれにせよ「通常となんか違うな」と思った時は危険信号なので、手を出さないようにしてください。
では、これらの異変がなければ大丈夫なのか?といわれると、はっきりイエスとも言えません…
見た目に出てなくても大丈夫とは限らない
上にあげた特徴はあくまで「傷んだご飯の見分け方」であり「傷んでいないご飯の見分け方」にはなりません。
見た目でわかる異常がなくてもすでに腐敗が進んでいる可能性もあります。
なので、見た目に問題がないご飯は本当に大丈夫な場合もありますが、それでも危険性はあるということは心に止めておいてください。
あとは一晩たってしまった場所の気温など、危険性を十分に考慮した上で食べられるかどうかの判断をしたほうがいいでしょう。
常温で放置せず、アツアツのまま冷凍庫へ!
じゃあ余ったご飯はどうすればいいの?と思われるのは当然ですね。毎回食べる量ぴったりのご飯を炊けるなんて神業はまあ不可能だと思います。
もしそんな人がいたら神様なので、きちんと崇め奉りましょう。
もっとも安全かつ美味しくご飯を保存する方法は、アツアツのまま冷凍してしまうことです。
余ったご飯は、フリーザーバッグなどに薄く伸ばして入れて冷凍庫に入れましょう。金属トレーなどに乗せればより急速に冷凍することができます。こうして冷凍保存したご飯は2〜3週間はもつといわれています
ご飯は常温で長時間保存することが傷む原因になると先ほど解説しました。
さらにご飯は冷めていく過程でデンプンが糊のように固まるので、冷やご飯特有の団子のようなゴテゴテした感じになってしまいます。
そこで、ご紹介したような急速冷凍を使うことで、チンするだけでふっくら炊き立てのご飯を復活させることができるのです。
もちろん炊き立てが一番美味しいのは間違いないですが、余ったご飯もできるだけ美味しく安全に食べるためにこの方法を実践してみてくださいませ!
コメント