お米の品種や生産地にこだわりを持つ方はいらっしゃるかもしれませんが、「精米」に関して詳しくご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか。
お店に売っている精米済みのお米でも、コイン精米機などを使ってご自身で精米する場合でも、それぞれの精米具合の特徴まで説明してくれていることは少ないと思います。
というわけで、精米のスタイルについて簡単に解説します!
いつもと違った精米の仕方にチャレンジすると、また違ったごはんの楽しみ方ができるかもしれませんね。
精米(精白)とは?
「精米」という言葉は、玄米のぬかを落として白米にする「工程」を指すことと、それによってできた「白いお米そのもの」を指す2通りの意味を持っています。
ふたつの意味を区別するために前者は「精白」、後者は「精白米」と呼ばれることもあります。
ここでは「工程」の意味での精米を解説します。
収穫したばかりのお米は「籾」という殻の部分と「糠」という皮の部分に包まれています。
このうち外側の「籾」ととった状態のものを玄米といいます。
玄米を覆っている茶色っぽい糠を取り去ることを「精米(精白)」と言います。精米することで普段わたしたちが食べている白いお米になるというわけですね。
精米をどれくらいするかによって、お米の味わいや栄養が変わってきます。販売されている多くのお米はきれいに精米された「精白米」ですが、近年は栄養や手軽さなどを重視した「無洗米」や「玄米」も人気です。
次の項では代表的な精米のしかたと特徴について解説します。
精米と分つき米
精米の度合いは、どのくらい糠の部分を取り去るかによって表されます。
全ての糠をとったものが白米、全て残っているものが玄米です。半分とったものは「5分づき」、7割とったものは「7分づき」となります。
「◯◯づき」という言い方は、昔の日本では臼や杵を使って「米つき」をして精米していたことに由来します。
玄米
精白をしていない状態のお米。「玄」という字は「くろ」とも読み、白米に比べて色が暗いのでそう呼ばれます。
普通に炊飯器で炊くと白米と比べてふっくら感がなく、食感も味も劣ります。また消化もよくないのでよく噛んで食べないといけません。
しかし、糠にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富にあるので栄養としては非常にバランスが取れており、健康食品として用いられます。
現代より食材が乏しかった時代には、この玄米によって日本人の健康が保たれていた、という話もあります。
7分づき
3割ほどの糠を残して精米したお米。白米よりも栄養価が高く、玄米ほど食べにくくもないので分つき米初心者におすすめの精米です。
糠の部分は酸化しやすいので、長期保存はせずに新しいうちに調理したほうが美味しく食べられます。
また糠には農薬が残留しやすいと言われているので、通常の農法で作られたお米は少し気になる方もいらっしゃるかもしれません(健康に影響が出る心配はまずないですが)。
標準精米
こちらが一般的な「白米」と呼ばれるお米です。お店で売られる場合には包みに「精米」という表記と精米年月日が記されます。
9割以上の糠を落としたもので、見た目も食味もバランスよくおいしい精米の方法です。
上白精米
標準精米よりもさらに表面を削り落としたもの。糠はすっかり落とされているのでより白く、食べやすいものになっています。
ただしその分、旨味の部分や栄養素も若干落としてしまうことになります。
無洗米
正式名称は「無洗化処理精米」で、研ぎ洗いをせずに炊くことができるように糠をきれいにとったお米のことです。
無洗米にする精米方法はいくつかのパターンがあります。
名前から「洗っていないお米」という意味にもとられますが、これは間違い(そもそも販売前にお米を洗うことはありません)
研ぐ必要がなく、さっと水を通すだけで調理できるので時間のない方や大量にご飯を用意しなければいけない場合に最適です。
無洗米のおいしい炊き方はこちら↓
当社のオンラインショップではこの無洗米をメインに扱っています。
忙しい方には無洗米がおすすめ。好みに合わせてどうぞ
というわけで、お米の精米についてざっくりと解説しました。
お米を研ぐ手間がかかっても美味しく食べたい方には標準精米、忙しいから手間を省きたい方には無洗米、健康志向の方は分つき米(初心者は7分がおすすめ)を選ぶと良いでしょう。
ぜひあなたに合ったお米のスタイルを見つけてくださいませ!
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