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お米は身近なスーパーフード!イネが育てた日本という国

米は世界の スーパーフード コラム

昨今、いろいろな聞き慣れない名前のスーパーフードがもてはやされています。

チアシード、アサイー、キヌア、クコの実…

ミドリムシから取れる成分なんかも耳にすることがありますね。

それらの有効性の真偽はさておき、我々日本人にはもっと身近なスーパーフードと呼べるものがあるのです。

それは…

米です!!

ちょっと待ってください。ブラウザを閉じないでください。

あまりに身近で普通すぎるのでピンとこないかも知れませんが、お米というのは世界でも有数の優れた食料なのです。

高級でもなければ(日本人にとっては)貴重でもありません。ありがたみを感じることは少ないかも知れませんが、今回はそういうお米に関するお話をしてみましょう。

ごはん文明とパン文明

パン

世界の歴史上、いろいろな場所に文明が生まれてきました。

それらの文明と確実にセットとなっている出来事は「穀物の栽培」です。

安定的に食料を生産できるようになったことで富が生まれ、それを蓄積することで食糧生産以外の仕事をする人たちを養うことができるようになりました。

職人、政治家、戦士、芸術家などです。

食糧生産をしなかった地域(というより、自然の食料が豊富で農業をする必要がなかった地域)は狩猟・採集の生活を続け、高度な文明は生まれにくくなります。

こうして文明が生まれるわけですが、主要な生産物というのは地域によって小麦、米、トウモロコシなどに分かれます。

その中で、世界に多く普及しているのが小麦です。言ってみればパンの文明の人たちですね。

トウモロコシはアメリカ大陸で広く栽培されました。

で、我らがお米(イネ)はどうかというと、栽培されている地域は少数派です。中国南部、東南アジア、インド、日本、韓国あたりでしょうか。こちらはごはんの文明といえます。

世界の多くはイネではなく、小麦を育てているところが多い…ということは、やっぱりお米より小麦のほうが優れた食料なんじゃないの?

そう思われるかも知れません。

ですが小麦を作っている地域は小麦とお米を比べて小麦を選んでいるわけではないのです。

というのも、小麦は比較的栽培しやすい作物ですが、イネというのは非常に限られた地域でしか栽培ができないのです。そして、小麦とイネの両方を栽培できる地域では多くがイネの方を選んできました。

なぜそのようなことになるのでしょうか。その地方の人たちがパン派よりごはん派が多かった?そんな簡単な話ではありませんよ(笑)

身近すぎて気づかない!お米の実力

茶碗に盛ったご飯

ちょうど戦国時代だった頃の16世紀の日本とイギリスを比べてみましょう。

国土面積人が住める面積16世紀の人口
日本約378,000㎢約114,000㎢約2,200万人
イギリス約242,000㎢約213,000㎢約625万人
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/歴史上の推定地域人口

人口の推計に関してはいろいろなデータがあるので確実とはいえません。それでも、日本は人が住める面積がイギリスの半分にも関わらず、人口は圧倒的に多かったのがわかります。

いうまでもなくイギリスは小麦文化、日本はごはん文化です。

そう、イネを主要作物にしている国は小麦を主要作物にしている国と比べて人口が多いのです。これは当時のイギリスと日本が…というより、全時代を通して基本的には共通しています

中国、東南アジア、日本、インドなどはお米を多く作っている国です。

一体なぜお米を作る国は人口が多くなるのでしょうか。

ケタ違いの生産性

実は、イネの最大の特徴はその生産効率なのです。

15世紀のヨーロッパでは、小麦が取れる量というのはまいた種の3〜5倍ていどでした。

つまり10kgの種をまいてもせいぜい収穫は50kgくらいだったのです。

ところが、17世紀の日本では、イネの収穫量は種の20〜30倍も取れました。

つまり10kgの種籾から200kg以上のお米が取れたのです。

文字通りケタ違いの生産性です。

それぞれ品種改良を重ねた現代でもお米の優位性は変わらず、小麦は20〜30倍なのに対して、お米はなんと110〜140倍の生産性を誇ります。

極端な話、小麦畑では1人分の食料しか作れない面積でも、お米を作れば10人分の食料を得ることができました。

そう考えると、お米を作れる国は小麦よりもお米を選んだのがわかるかと思います。

よく「人口密度」という言い方をされます。日本はよく人口密度が高くて狭苦しい土地に住んでいると言われますが、それは農地の生産効率の問題でもあります。

同じ人口を養うなら、田んぼと比べて小麦はメチャクチャ広い畑が必要になります。ヨーロッパやアメリカで地平線まで広がる小麦畑の映像を見たことがあると思います。

小麦畑

あれは、そのくらい広い土地を畑に使わないと十分な食料が得られないためでもあるのです。

というわけで日本に比べて欧米はほとんどの土地を畑に使わないといけないから、必然的に人口密度は低くならざるを得ないということですね。

まあ、日本の家が狭いのは確かなんですけどね…

抜群の栄養バランス

お米の優れている部分は他にもあります。それが栄養価の高さ。

お米のメイン成分がデンプン、つまり炭水化物なのはご存知の通りですが、ミネラルやビタミンも豊富に含まれています。

足りていない栄養素が「リジン」という必須アミノ酸で、これがタンパク質、つまり筋肉などを作る成分なのですが、日本人は大豆を使うことでその分を補ってきました。

ごはん、豆腐、味噌汁という3点セットはまさに日本人が誇るべき完璧な食事メニューなのです。昔の人の知恵はすごいですね。

ちなみに健康な生活のためには動物性タンパク質はやはりとる必要はあるので、肉や魚も食べましょう。また、昔の人が食べていた玄米と違って白米はビタミンBが不足するので野菜も忘れずに。

一方、小麦はお米ほど栄養バランスには優れていないのでパンやパスタばかり食べているわけには行きません。

そのため欧米の人たちは日本人がお米を食べるほどには小麦を主食にしていません。

ヨーロッパでは昔からパンなどとともにチーズや羊肉、玉ねぎなどの食材を組み合わせてバランスを取っていました。

栄養素の知識などなかった時代に、こちらも無意識に必要な食事バランスを整えていたのは驚きですね。

お米づくりはメチャクチャ大変

田植えの風景

さて、良いことづくめのように感じるお米ですが泣きどころもあります。

それは、栽培するのが大変だということです。

小麦はわりと強い作物で、畑を耕せば(もちろんそれも重労働ですが)種をまいておけば放っておいてもけっこう育ちます。

しかし田んぼはそうはいきません。まず、水田をつ来るのが非常に難しいのです。

水田に適した良質な土壌に、常に水を確保できる灌漑かんがい設備が必要です。この設備を作るためには多くの人の労働力とそれを束ねる優秀なリーダーが必要でした。

それが土地の有力者や豪族が生まれる起源となります。

さらに気候は温暖で雨が多くないといけません。この時点でお米を作れる地域は限られます。

そしてイネはデリケートです。育てるのには非常に手間がかかるので、大勢の人が協力して育てなければなりません。

「国民性」はお米がつくった?

日本の田舎

ここにいわゆる「日本人の国民性」のルーツが見えてきます。

まず、狭い土地でもたくさんの食料がとれるということ。そして食糧生産に多くの人手が必要となること。

こうなると、結果として多くの人が密集して住むことになり、お互いに協力しなければやっていけません。

日本は必然的にお隣さんと仲良くする、協調性が大切だという考え方が広まるのは自然な流れだったのでしょう。

一方、小麦はイネほど手間はかからないので少人数で広い畑を世話することができます。それでもお米ほどの人数を養う生産性はないので、広い土地に少ない人数が住む、人口密度が低いかたちになります。

自然、他人とあまり干渉せず、マイペースで独立心の強い人々が多い文化ができたのだと思われます。

お米文化と小麦文化の比較お米文化小麦文化
収穫量多い少ない
必要な土地面積少ない多い
栽培の手間大変わりと放置
人口密度高くなりがち低くなりがち
共同体の性格集約的分散的
協調性高くなりがち低くなりがち
まとめるとこんな感じ

食料生産性が生んだ歴史

略奪

日本は山がちな地形で、国土の大きさの割には人が住める面積は少なめです(先程のイギリスとの比較の表を見ていただければわかるかと思います)。

それに対してヨーロッパは平地が多く、たくさんの国がありました。

ですが、小麦はお米に比べて収穫量が少ないので人口が増えると食料の確保が難しくなりがちです。

さらに古代から開墾され続けた土地はもう畑を増にできる土地も残っていません。するとどうなるか。

隣の国へ行って、奪い取るしかない!となるわけです。

そんなわけで、ヨーロッパでは平和な時期がほとんどないと言っていいほど戦争をし続けるはめになったのです。

戦争にはもちろん多くの要因がありますが、話をシンプルにするとそんな感じです。

日本も戦国時代とかあったじゃん!と思われますが、日本では戦乱の時代はそこまで長くなく、天下人が出ればしばらく安定時期が続きました。

さらに日本の戦争はあまり一般人が巻き込まれることはなかったようです。武将は土地とそこからとれる収穫が欲しかったので、農民を殺してしまっては損をするからです。

しかし、ヨーロッパの歴史は悲惨です。

収穫量がそもそも少ないので、敵の農民を味方にして収穫の分け前をもらう、というより略奪が優先されがちでした。

あまりにも戦争がエスカレートし、一般人を含めて町一つが丸ごと消されるとか全人口の3分の1が犠牲になるとかいった話はザラにあります。

そのおかげで後年ヨーロッパはめちゃくちゃ戦争が強くなったのですが…。

平和な日本を作ったお米に感謝!

食事をする家族

最後は暗い話になってしまいましたが、要するにお米はすごいんだよ!というお話でした。

お米ほど生産性・栄養とも優れた食品は世界中を見渡しても存在しないのではないかと思います。平和で豊かな日本というのはお米があってこそのものと言えます。

こんな話を知ったからといって生活が変わるわけではないですが、いろいろなスーパーフードをもてはやす前に、毎日のお米に感謝をしましょう!

そんなスーパーフードなお米を美味しく食べたい方は、ぜひ私たち美・SOILのオンラインショップをのぞいていただければと思います。

問屋を通さず、生産者が直接お送りいたしますので安くて新鮮なごはんをお楽しみいただけます。

それでは!福井県のお米農家、美・SOILでした!

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